ワイパーモーターのコイル巻き直し
2010.2.20
モーター(アーマチュア)のコイルを巻き直します。
この際、モーターの特性を変えたいと思っていたので色々考えました。
狙う特性は「回転が遅く、トルクが強い」状態。
コイルの巻数を増やせば回転数は下がり、トルクを出すには、多くの巻数と大きな電流が必要。
しかし、巻数を増やせばコイルを構成するワイヤーの長さが伸びるので、回路抵抗値(Ω)は上昇し、流れる電流は減少します。(相反するわけです。)
そして、多くの巻数を確保しようとすると、元と同じアーマチュアを使う以上、ワイヤーの径を細くするしかありません。
ということで、結構考えてみたものの、やってみないと分からないということで、次の仕様で製作しました。
ターン数(巻数) 23T ⇒ 40T
ワイヤーの線径 0.5mm ⇒ 0.4mm
果たしてどうなるでしょうか・・・。
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オーディオ機器を自作したことがある人なら、知らない人はいないほどメジャーな「オヤイデ電気」にて、0.4mmのマグネットワイヤーを購入。
ちなみに重量売りの最小単位である1kgを購入。
0.4mmワイヤーなので800m以上あります。
これなら何回でも巻き直せますね!
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ワイヤーの径を比較。
たかが0.1mmの差ですが、左は凄く細く見えます。 |
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ワイヤーは2本必要なので、コーヒーの空き缶にワイヤーを巻き取ります。 |
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80mもあれば充分ですが、そもそも何m巻き取ったか分からない。
そこで、重さを計ることにしました。
その結果、缶の重さを引いて、100m程巻けていることが判明。
足りないことはないのでOK。 |
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一気に飛びますが、コイル巻き完成です。
40T(ターン)ずつ巻いたので10極で400ターンです。
しかも2本のワイヤーを交互に巻いていくので面倒極まりないです。
指がつりそうになりながら、ターン数を間違えないように数え歌を歌いながら、3時間ほど巻き巻き・・・。 |
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結構気を使って、ぎっしり巻いたものの、次回施工時では、もっと上手く巻けると思う自己評価です。
でも、もういいです・・・。(笑) |
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ここで以前の状態と比較してみよう。
こちらは純正の23T。全然違いますね。
ていうか、いきなり17Tも増やしたら回転数落ちまくりなのでは・・・。 |
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このモーターのアーマチュアの巻き方図。
手書きの用紙を失くしそうなのでここに保管します。 |
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モーターを組み立ててテスト。
完璧です。回転はスーパー滑らか!
発熱もしません。電流値も減っているのでしょう。
でもブラシの当たりが悪いみたいで、ジーーーーと音がしています。
やり直そうかと思ったけど、最終的にこのまま行くことにしました。
早く当たりが付いて欲しいけど、ブラシとコミュテーターはピカピカに研磨したので、当分の間、無理でしょう・・・。 |
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再びギアボックスを組み立て。
ちなみにこの直巻電動機を使ったワイパーモーターですが、相当古い設計のようで、シボレーの旧車以外では見たことがありません。
しかも、ほとんどの車は1960年代には、ウォームギアの機構とフェライトコアの界磁を使ったモーターシステムになっており、このような直巻電動機は珍しいと思います。 |
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狭いダッシュパネル内に取り付け。 |
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プレナムグリルの外からリンク機構を組立て。
グリルを外さないと無理かと思いましたが、なんとかなるものですね! |
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一気に組み立てたいところですが、これはデフロスタの吹出口。
車を買ったときに欠品だったので、リプロ品をつけていましたが、樹脂剥き出しだったので、光が反射してフロントウインドウに移り込むため、つや消しのグレーで塗装しました。 |
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色が違うけど微妙に違うよりは、思い切り違う方が自然です。 |
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でも、グレーというよりは白に近い気がする・・・。
光が反射しなくなったので、ま、いいか。 |
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メーターパネルやエアコンのダクト、吹出口を復元。
長かった〜。
ようやく普通の状態です。 |
出来上がったモーターの速度ですが、遅いです。 めっちゃ遅いです。
速度をLoにした場合、一往復に3−4秒かかります。(笑)
Hiにすると、普通の連続動作です。
わざとこうしたのには理由があって、
ウインドウには撥水コートをしてあるので、現代の車のHiモードは不要。どんな大雨でも通常の連続動作で充分です。
そして、間欠モードが無いため、スイッチを入れた途端、永延と連続動作されると、小雨時に困ります。
かといってスイッチを頻繁に操作するには、スイッチが遠すぎるし、後付間欠ワイパーキットを付けると、機械式ウォッシャーが使いにくくなるため微妙に思えます。ということで動作速度を下げてみました。
ただ、実際の雨天時に使い物になるのかな・・・・。